令和2年6月18日の新聞「Q&A教えてドクター」に院長の記事が掲載されました。

Q. 腰痛で整形外科を受診したところ、坐骨神経痛と言われ、半年ほどリハビリを受けていますが、あまり改善されません。ペインクリニックではどのような治療を行うのでしょうか。

A. 痛みに対する治療法に、硬膜外ブロックがあります。脳から背骨の中を縦につながって通っている神経の束を脊髄といい、この脊髄を包んでいる膜を硬膜といいます。硬膜の外側の空間は硬膜外空と呼ばれ、ここには脊髄から枝分かれして手足へと向かう脊髄神経の枝が存在しています。そこに局所麻酔薬を注入すると脊髄に麻酔がかかり、痛みの間隔を脳に伝達する神経の働きが遮断され、痛みは消えます。
 この局所麻酔薬は、痛みの間隔を脳に伝える感覚神経に生じた異常な興奮状態を沈め、一時的に痛みの間隔を緩和させるだけではなく、血管の太さを細く変化させる自律神経も麻酔されるため、血管が太く拡張し、血液の流れが良くなります。血液の流れが良くなると痛みの刺激を生じる物質が洗い流され、慢性的に持続していた痛みの緩和が期待できます。
 腰痛には、急性腰痛症(いわゆるぎっくり腰)、おしり~ふともも~すね~足に痛みを生ずる腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊柱すべり症などが慢性腰痛の原因です。これらの痛みに対して硬膜外ブロック治療を行います。
 その他色々な症状により内服薬や光線、温熱治療などの理学療法も用います。

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